ドラマ『オスマン帝国外伝シーズン3 愛と欲望のハレム』 続3

 まだまだ続く、『オスマン帝国外伝』。
ネタバレも引き続き。

 【女性の世界】
 サブタイトルにもある、「ハレム」とは後宮のことで、
女性ばかりの社会に男性は皇帝ただ一人。つまるところは、
跡継ぎ製造工場と言える。オスマン帝国の正統性を
担保するためには男性は一人でなければならず、一方、育てる
側は人材を数多く用意することで、生まれてくる子供の
量を担保すると思っていたが、米原万理さんの著書
『米原万理の「愛の法則」』によれば、男性は「量を追及しな
がら質を担う」という一説があった。どういうことか?
仮に100頭の水牛を飼育できる牧場があったとして、オス・メスの
比率をどうするか?子牛をたくさん育てたければ、オス一頭・メス
九十九頭が良い。では優秀な子牛が欲しいときは?それはメス一頭に
オス九十九頭。なぜかというと、オス一頭だけだと、何かの拍子で
全滅する可能性がある。オスの数を多くするとオスの中で競争が生ま
れて優秀なオスが残り、結果的に子牛も優秀になるからだ。
 では、本作に当てはめてみるとどうなるか?
ただ一人の男性である皇帝は、すでに質を担保された人材と考えられる。
すなわち、皇帝になるまでに幾多の競争を勝ち抜いてきた優秀な人材
だからこそ、皇帝になれたのだ。スレイマンの場合は、父セリム一世の
基盤が盤石ではなく、スレイマンが必ず皇帝になれるかは未知数の部分
があった。だから、スレイマン自身も、皇帝にふさわしい人物になろう
と非常に努力をしたはず。つまり質は十分担保されている。
そして、後宮における優秀な女性とは、若くて健康というのが第一条
件だろう。その分子供を産み育てられる確率が高いからだ。
 こうして考えてみると、質が保証された一人の男性の寵愛を巡って、
優秀な人材である女性がしのぎをけずれば、質のいい次世代の人物を
多く手に入れることとなる。
 とはいえ、女性には非常に負担の高い生活ぶりで、仮にこの世界に
住まなければならないとしたら、胃潰瘍で半年も持たないかもしれない。

 ヒュッレム自身も、その非人間性に気が付いたようで、話数は忘れ
たが、新しい側女に熱を上げるスレイマンを見て、マヒデブランがど
んな気持ちでヒュッレムを見ていたか気が付くという場面があった。
マヒデブランに向かって「今なら理解できる」と伝えるが、時すでに
遅し。この気持ちは伝わらず、対立関係はさらに激化していく。
 そう、人間あまりに激しく対立しすぎると、相手の声など全く聞こえ
なくなり、どんな真実であっても認めることができなくなってしまう。
 マヒデブランはまさに、後宮システムにからめとられた犠牲者であ
り、それを自力でこじ開けようとしたヒュッレムを認められなくなっ
てしまったのだ。

【ムスタファ皇子】

 親子そろって、女にだらしがない。とくにムスタファの場合は若さゆ
えの焦りから、色々と問題を起こして、結果的に父親の不興を買うとい
う悪循環に陥っている。
 シーズン2では愛する側女が、ヒュッレムの手先だったし、シーズン
3の冒頭は、そんな過去がありながら、村の少女にちょっかいを出す。
これが元で、スレイマンは大激怒。少女にとっては辛い宮廷生活。
ついでに最初はマヒデブランの手駒だったはずのディアナがファーリエ
と名前を変えて、いつの間にかヒュッレム側に取り込まれる遠因を作っ
た。(このデイァナ=ファーリエは、非常に優秀な刺客であり、マヒデ
ブランの信頼も篤かったのに。)
 父に勝るとも劣らない優秀な息子なのに、母親とその仲間に足を
引っ張られて、やることなすこと裏目に出てしまうかわいそうな人物。
 時代とはいえ、一人の女性を大切にしきれないところが彼の最大の
弱点だ。

ムスタファ皇子を演じている俳優さんは、当初はショッキングなまで
に若作りだったが、役柄が追い付いてきたのか、本人の実力か、
どんどん素敵な皇子になってきた。
私の一押しはマルコチョールだが、ムスタファも捨てがたい。
 ムスタファ皇子の笑顔は非常に少ないので、ご本人の笑顔ショット
を載せて、今日のところはお開きとする。

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