映画『スキャンダル』原題:BOMBSHELL

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【基本情報】
上映時間:109分
製作国: カナダ アメリカ
製作年度:2019年
上映館:パルシネマ

【概要】アメリカ4大ネットワークのFOXニュースで
起こった、セクシャル・ハラスメント問題をドラマ化。
やり手キャスターのメーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)、
かつての勢いが消えかかっているグレッチェン・カールソン
(ニコール・キッドマン)、そして、これからテレビ界で
キャリアを築いていきたいケイラ・ポスピシル(マーゴット・
ロビー)。この三人がそれぞれ抱えるセクシャル・ハラスメントに
どう立ち向かうか。

ジェイ・ローチ監督作品というよりは、シャーリーズ・セロン
製作映画といった方が通りがよさそうな気がする。というのも、
実話のドラマ化、それもかなりデリケートな問題を扱っている
せいか、製作までの道のりは二転、三転したらしく、セロン自身の
献身がなければ陽の目を見なかったようだ。
 
【ネタバレあり】
 本編の主人公メーガンは野心満々の上昇志向あふれる女性。一方の
訴訟を起こすグレッチェンも彼女と同様に男性社会でのしてきたと
自負する一方、ハラスメントを受け入れなかったので仕事を干され
てしまう。
 こういった話では、「それは実力がなかったから干されただけ」
とか、「あなたが勘違いさせたのではないか」といった問題のすり
替えが行われてきた。そして、本人自身も「そうかもしれない」と
自分のせいにしてしまいがちなところだ。しかし、この手の問題は
男女で違いがあるわけではなく、力のあるものがそれをちらつかせ
ながら、立場の弱い人間に対して、意に反することを強要する点だ。
 誰だって、お金の心配などせずに好きな仕事・好きなことに打ち
込みたい。自分の求めるものに正直でありたい。それは男女に関係
ない。なのに、それを餌にして「私のいうことを聞けばやらせてや
る」と言って、不本意なことを強要するのは嫌がらせに他ならない。
 本編の女性たちは、みなそれなりに野心家で、それを隠さない。
だからこそ、セクシャル・ハラスメントを受けていたと公に認める
ことが、自分の弱さを認めることと同義になってしまい、連帯して
声を上げることができなくなってしまっている。
 その突破口となるのが、作品オリジナルの人物であるケイラだ。
彼女は自分が何をされたのか、野心をかなえるために何を犠牲にし
て、どんなに傷ついたのかを自問自答し、証人になる決意をし、
会社を去る。

 序盤、メーガンがテレビ局を紹介していくあたりの畳みかけるよ
うなテンポが心地よく、シリアスなテーマを扱う映画の入り口を下
げて、早く次を知りたいという好奇心を刺激する。話が進むに連れ、
主人公たるメーガンがどんな決断を下すのかに集中させる、メリハ
リの利いた演出となっている。
 グレッチェンは200万ドルという賠償金と謝罪を受け入れる
代わりに、この件に関しては何もしゃべらないという結果に落ち着
くが、その余波は大きく、単に一企業のハラスメント訴訟に終わら
ず、その後の#ME TOO運動の前日譚ともいえる、意義あるもの
だった。

 原題のBOMBSHELLは、爆弾と、グラマー女性といった意味合いの
掛け言葉なので、邦題ももう少しひねって欲しかったところ。
だからと言って、「こんなのどうでしょう?」と差し出せないのが
辛いところ。









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